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交通事故

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損害賠償額算定基準

金額の改定については、事故日を基準時として新しい基準を適用することとしているので、その旨明記した(平成10年1月1日以前の事故については、記載を省略した)。

消極損害

  1. 休業損害

    1. 算定方法

      休業損害は、休業により喪失した額が分かる場合はその額が損害として認められ、それが判明しない場合は、基礎収入に休業期間を乗じて算定する。賠償の対象となる休業期間は、原則として現実に休業した期間とするが、症状の内容・程度、治療経過等からして就労可能であったと認められる場合は、現実に休業していても賠償の対象にならないことや一定割合に制限されることもある。

    2. 基礎収入の認定

      基礎収入の認定は次のとおりである。なお、平均賃金を使用する場合は、賃金センサス第1巻第1表産業計・企業規模計の男女別賃金を用いる(以下、特記がない限り、上記平均賃金を前提として学歴と年齢による区別のみを記載する。)。

      1. 給与所得者

        受傷のための休業により現実に喪失した収入額を損害と認める。その算定のための基礎収入は、少なくとも事故直前3ヶ月の平均収入を用い、不確定要素の強い業種についてはより長期間の平均収入を用いることがある。休業中、昇給・昇格があった後はその額を基礎とする。休業に伴う賞与の減額・不支給、昇給・昇格遅延による損害も認められる。なお、有給休暇は、現実の収入減がなくとも、損害として認める。

      2. 事業所得者

        受傷のため現実に収入減があった場合に認められ、原則として、事故直前の申告所得額を基礎とし、申告所得額を上回る実収入額の立証があった場合には、実収入額による。所得中に、実質上、資本の利子や近親者の労働によるものが含まれている場合には、被害者の寄与部分のみを基礎とする。事業を継続する上で休業中も支出を余儀なくされる家賃、従業員給与等の固定費も損害と認められる。被害者の代わりに他の者を雇用するなどして収入を維持した場合には、それに要した必要かつ相当な費用が損害となる。

      3. 会社役員

        会社役員の報酬については、労務提供の対価部分は認められるが、利益配当の部分は認められない。

      4. 家事従事者

        学歴計・女性全年齢平均賃金を基礎とする。ただし、年齢、家族構成、身体状況、家事労働の内容等に照らし、上記平均賃金に相当する労働を行い得る蓋然性が認められない場合は、学歴計・女性対応年齢の平均賃金を参照するなどして基礎収入を定める。

        有識者で家事労働に従事している場合には、実収入額が学歴計・女性全年齢平均賃金を上回っているときは実収入額によるが、下回っているときは上記の家事従事者に準じる。

      5. 無職者(4の者を除く)

        事故前に、現に労働の対価である収入を得ていない者に対しては、原則として、休業損害を認めることはできない。ただし、治療が長期にわたる場合で、治療期間中に就職する蓋然性が認められるときは、休業損害を認めることがある。

  2. 後遺障害による逸失利益

    1. 算定方法

      基礎収入に労働能力の喪失割合を乗じ、これに喪失期間に対応するライプニッツ係数を乗じて算定する。

    2. 基礎収入の算定

      1. 給与所得者・事業所得者および会社役員

        休業損害の場合に準じる。ただし、若年者(概ね30歳未満の者)については、実収入額が学歴計・全年齢平均賃金を下回る場合であっても、年齢、職歴、実収入額と学歴計・全年齢平均賃金との乖離の程度、その原因等を総合的に考慮し、将来的に生涯を通じて学歴計・全年齢平均賃金を得られる蓋然性が認められる場合は、学歴計・全年齢平均賃金を基礎とする。その蓋然性が認められない場合であっても、直ちに実収入額を基礎とするのではなく、学歴別・全年齢平均賃金、学歴計・年齢対応平均賃金を採用することもある。なお、大卒者については、大学卒・全年齢平均賃金との比較を行う。

      2. 家事従事者

        休業損害の場合に準じる。

      3. 幼児、生徒、学生

        原則として、学歴計・全年齢平均賃金を基礎とするが、大学生又は大学への進学の蓋然性が認められる者については、大学卒・全年齢平均賃金を基礎とする。年少女子については、原則として、男女を合わせた全労働者の学歴計・全年齢平均賃金を用いることとする。なお、未就労者の逸失利益の算定方法は次の通りである。

        基礎収入 × 労働能力喪失率 × {(67歳 - 症状固定時の年齢)年のライプニッツ係数 - (就労開始の年齢 - 症状固定時の年齢)年のライプニッツ係数}

      4. 無職者(2及び3の者を除く)

        被害者の年齢や職歴、勤労能力、勤労意欲等にかんがみ、就職の蓋然性がある場合には、認められる。その場合、基礎収入は、被害者の年齢や失業前の実収入額等を考慮し、蓋然性の認められる収入額による。

    3. 労働能力喪失割合

      労働能力の低下については、労働省労働基準局長通牒(昭和23年7月2日基発第551号)を参考にして、傷害の部位・程度、被害者の性別・年齢・職業、事故前後の就労状況、減収の程度等を総合的に判断して定める。

    4. 労働能力喪失期間

      • 労働能力喪失期間の始期は症状固定日とする。未就労者の就労の始期は、原則として18歳とし、大学進学等によりそれ以後の就労を前提とする場合は、修学終了予定時とする。

      • 労働能力喪失期間の終期は、67歳までとし、年長者については67歳までの年数と平均余命の2分の1のいずれか長いほうとすることを原則としつつ、被害者の性別・年齢・職業・健康状態等を総合的に判断して定める。ただし、いわゆるむち打ち症の場合には、後遺障害等級に応じ、次の期間を一応の目安とする。

        第12級程度 … 5年から10年
        第14級程度 … 2年から5年

    5. 中間利息控除

      民事法定利率である年5%の割合で控除し、計算方式はライプニッツ方式による。中間利息控除の基準時は、原則として、症状固定時とする。

      • 賃金センサスを用いる場合は、症状固定時の年度の統計を使用する。

      • 労働能力喪失期間を短期間に限定する場合、賃金センサスを使用するときは、原則として、学歴計・年齢対応平均賃金を用いる(ただし、家事従事者については学歴計・女性全年齢平均賃金を用いる)。

      • 後遺障害逸失利益については、生活費控除をしない。

  3. 死亡による逸失利益

    1. 算定方法

      基礎収入から被害者本人の生活費として一定割合を控除し、これに就労可能年数に応じたライプニッツ係数を乗じて算定する。

    1. 基礎収入、就労可能期間及び中間利息控除

      後遺障害逸失利益の場合に準じる。

    1. 生活費控除率

      原則として、一家の支柱及び女性は30%〜40%、その他は50%とする。ただし、年少女子につき、男女を合わせた全労働者の平均賃金を砕氷する場合は、生活費控除率を45%とする。

      • 一家の支柱とは、被害者の世帯が主としてその被害者の収入によって生計を維持していた場合をいう。

      • 賃金センサスを用いる場合は、死亡時の年度の統計を使用する。

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