【特定技能の運用方針】(12)飲食料品製造業
2025.04.18飲食料品製造業分野における特定技能制度【2024~2025年最新版】
国内では人口減少・高齢化の影響で、食品工場やベーカリー、惣菜製造など飲食料品製造業分野の担い手不足が深刻です。特に加工・製造ラインのオペレーターや品質管理者など専門技能を要する職種では求人が増える一方、確保が難しくなっています。こうした課題を解消するため、外国人材を即戦力として受け入れる「特定技能」制度が注目されています。本記事では、飲食料品製造業分野における特定技能制度の概要や必要要件、最新動向をわかりやすく解説します。
飲食料品製造業分野の特定技能制度とは?
特定技能制度は、深刻な人手不足に対応するため、技能水準や日本語能力を満たす外国人を一定期間受け入れる在留資格です。飲食料品製造業分野では「特定技能1号」と「特定技能2号」が設定され、いずれも飲食料品(酒類を除く)の製造・加工および安全衛生の確保を主たる業務とします。
対象となる業務区分
(1)特定技能1号
・飲食料品の製造・加工(加熱処理、殺菌、成形、乾燥など一連の生産行為)
・安全衛生の確保(機械の安全確認、作業者の衛生管理など)
(2)特定技能2号
1号の業務に加え、品質管理、衛生管理、納期・コスト管理、従業員管理、原材料管理などの管理業務を担います。
必要な技能測定試験と日本語能力
(1)技能水準
1号:飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験の合格
2号:飲食料品製造業特定技能2号技能測定試験の合格+管理等実務経験2年以上
(2)日本語能力
1号:国際交流基金日本語基礎テストまたはJLPT N4以上
2号:JLPT N3以上
技能実習2号を良好に修了した者は、1号の技能試験および日本語試験が免除されます。
特定技能1号・2号の違いと実務経験要件
特定技能1号は生産ラインでの実務スキルと日常会話レベルの日本語力があれば応募可ですが、2号は
・熟練した技能を基に自ら判断して生産工程を管理できる能力
・複数の従業員を指導しながら作業を遂行し、工程管理ができる実務経験(2年以上)
を要件とし、家族帯同(配偶者・子)は認められます 。
受入企業(特定技能所属機関)に求められる条件
・食料品製造業分野特定技能協議会への加入(構成員登録・協議会・省庁調査への協力)
・適正な特定技能雇用契約の締結(労働基準法等に準拠)
・支援計画の策定・実施(入国前オリエンテーション、生活・就労支援)
・直接雇用の原則(派遣は禁止)
・キャリアアッププランの書面交付(役職設定や昇格目安を明示)
・実務経験証明書類の交付義務(求められた場合)
よくある質問(FAQ)
Q1 家族帯同はできますか?
A 1号は不可、2号は配偶者・子の帯同が可能です。
Q2 どの職種・作業が試験免除の対象ですか?
A 技能実習2号で修了した全職種・作業が対象。実技合格証明書の提出で免除されます 。
Q3 協議会加入前の在留申請は可能ですか?
A 加入済み、または誓約書提出後4カ月以内に加入する旨の条件付きで可。
まとめ
飲食料品製造業分野の特定技能制度は、技能・日本語要件をクリアした外国人材を受け入れ、人手不足解消と品質・安全性の向上を両立する仕組みです。1号は生産現場のオペレーター、2号は管理業務まで担当し、家族帯同も可能となるため、将来的な定着やキャリア形成につながります。受入企業は協議会加入や支援計画の徹底、適正契約の履行を通じて、安定的かつ持続可能な雇用体制を構築してください。最新の試験日程や告示改正情報は、運用要領別冊・農林水産省公表資料で随時ご確認ください。