なぜ、あなたの会社の外国人は3ヶ月で去るのか?——「未来」が見えない職場の末路
2026.04.16
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外国人雇用のミカタ
なぜ、あなたの会社の外国人は
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相談に来る経営者の多くがこう言う。 「言葉が通じないからすぐ辞めてしまうんです」 違う。それは言い訳だ。 日本語が堪能なのに辞めた人間を、私は何人も見てきた。逆に、片言の日本語しか話せないのに、10年以上同じ会社に骨を埋めた外国人スタッフも知っている。 言語が問題なのではない。 彼らが去る本当の理由は、たったひとつだ。 「この会社にいても自分の人生は積み上がらない」 そう悟らせてしまう職場環境に、原因がある。 彼らが本当に見ているもの
特定技能1号で働く外国人スタッフがもっとも気にしていることをご存知だろうか。 もちろん給与は大事だ。福利厚生もそう。 しかし何より重要なのは、「2号に移行できるか」「永住できるか」この2点だ。 彼らにとって、日本での就労は単なる出稼ぎではない。日本に「根を張る」ための、戦略的な選択だ。 永住資格を得るには、安定して年300万円以上を稼ぐ必要がある。 では、あなたの会社は彼らのキャリアを計画的に設計できているか。入社5年後の年収と役職の見通しを、明確に提示できるか。 できないなら、彼らの答えはシンプルだ。「この会社では自分の未来は作れない」そう結論づけ、静かに去っていく。叫ばず、恨まず、ただ去っていく。 ある社長の「改心」が教えてくれたこと
私が関わったN社長の話をしよう。かつての彼は、いわゆる「昭和のノリ」の経営者だった。「職人は使い捨て。代わりなどいくらでもいる」そう公言してはばからなかった。 結果は、惨憺たるものだった。職人が全員退職した。現場が回らなくなった。会社は崩壊寸前に追い込まれた。 転機は、ある外国人スタッフの一言だった。去り際に彼はこう言った。「私はここで、何も積み上げられませんでした」 その言葉が、N社長の何かを変えた。改心後のN社長は別人のようだった。一人ひとりと丁寧に向き合い、社長自ら現場を観察し、積極的に声をかけるようになった。スタッフのキャリアを一緒に考え、将来のビザ更新や永住権のことまで話し合うようになった。 そうするうちに少しずつ、スタッフが会社に愛着を持ち始めた。友達を呼んだ。その友達がまた友達を呼んだ。 今、彼の会社の採用費はゼロだ。人が人を呼ぶ。それがもっとも強い採用戦略だと、私は現場で何度も確認してきた。 明日から変えるべきこと
ひとつ目。業務を日本人に偏らせるな。 外国人スタッフに「雑用だけ」「単純作業だけ」を与え続ける職場がある。これでは実務経験が積み上がらず、キャリアが前進しない。彼らに実務をやらせろ。責任ある仕事を任せろ。それが「育てる」ということだ。 ふたつ目。「雇う」と「育てる」を別物として仕組み化せよ。採用して終わりではない。入社後の伴走支援こそが勝負だ。定期的な面談、キャリアの見直し、ビザ・在留資格の相談、日本語サポート。これらを「やれたらやる」ではなく、「仕組みとして必ずやる」ことが重要だ。 場当たり的な対応ではなく、システムで彼らの人生を支えるのだ。 選ばれる企業へ
外国人材が輝く職場は、日本全体の希望になる。 「使い捨ての労働力」として消費するのか。「日本の未来を作るパートナー」として共に歩むか。その選択が、あなたの会社の10年後を決める。 外国人が「ここにいたい」と思える職場が増えれば、日本の現場が変わる。そして日本の未来が変わる。私は本気でそう信じている。 あなたの会社は外国人スタッフのキャリアを設計できているか?
入社後のキャリアパス、2号移行・永住に向けたキャリアプランに年収設計、定期面談の仕組みがあるか——現場でよく抜けている項目をまとめたチェックリストを活用して欲しい。 「うちは大丈夫」と思っている会社ほど、実は設計できていない。一緒に「選ばれる企業」を目指そう。 |
行政書士法人HAL大阪代表行政書士 芳川 恒徳 |