HAL便り

永住資格「取消し」の衝撃②

2026.05.13

 

 

外国人雇用のミカタ

永住資格「取消し」の衝撃②
公的義務の滞納はどこまで危険か?

連載第2回は、今回の改正で最も注目されている「公的義務(税金・社会保険料)の不履行」について深掘りする。

ターゲットは「悪質な未払い」

入管も「単なる納付の遅れをすべて取り消しの対象にするわけではない」と繰り返し強調している。取消しの対象は、納付能力があるにもかかわらず「故意に」公的義務を履行しない場合だ。

一方、「うっかり忘れ」や「一時的な困難」への配慮もある。病気、怪我、勤務先の倒産、事業の著しい悪化などのやむを得ない事情や、督促を受けた後速やかに全額納付した場合などは、即座に取り消しの対象とはならない可能性が高い。

社会保険料の「壁」は高い

税金については、これまでも永住申請時に厳しくチェックされてきたが、今後は「社会保険料(年金・健康保険)」の継続的な納付がさらに重要視される。改正後は「永住許可が下りたから国民年金を払うのをやめよう」といった行為が命取りになる。入管法と社会保障制度がより強固に「連結」されたのだ。

17年の経験から見える「リスク回避術」

①「口座振替」を原則にする:自動引き落としに設定することが最も推奨する防衛策だ。何度も繰り返す遅れは「悪質」とみなされかねない。

②住所変更の届出を怠らない:住居地の届出義務違反も取消事由に含まれる。住所変更を忘れて納付書が届かず、督促を無視した形になるのが最悪のパターンだ。

③「世帯単位」で考える:本人が完璧でも、扶養している家族が滞納していれば、世帯主としての責任を問われる可能性がある。

行政書士法人HAL

大阪代表行政書士

芳川 恒徳