HAL便り

永住資格「取消し」の衝撃①

2026.05.12

 

 

外国人雇用のミカタ

永住資格「取消し」の衝撃①
なぜ今、永住資格のルールが変わるのか?

2024年の入管法改正により、永住許可制度に大きなメスが入ることになった。「永住資格が取り消されるようになったって本当ですか?」という相談は今なお後を絶たない。第1回は、改正の背景と「取消事由」の追加について整理する。

「一度取れば安心」の時代の終わり

これまでの永住資格は、一度取得してしまえば、よほどの犯罪を犯さない限り取り消されることはほとんどなかった。しかし今後は「永住者としての義務を継続的に果たしているか」が厳格に問われることになる。政府の狙いは「永住許可を受けた後も、公的義務(納税や社会保険料の納付)を適正に履行してもらうこと」にある。

新たに追加される「取消事由」の正体

改正案で注目すべきは、以下のケースで永住許可が取り消される可能性が出てきたことだ。①故意に公的義務を果たさない場合(税金や社会保険料を意図的に滞納し続けるケース)。②拘禁刑(懲役・禁錮)に処せられた場合(1年以下の比較的軽い刑であっても対象になり得る)。③入管法上の届出義務違反(住居地の届出などを怠るケース)。

「うっかり」は許されるのか?

重要なのは、「何でもかんでも即座に取り消すわけではない」という点だ。入管は、病気や失業、事業の失敗など「やむを得ない事情」がある場合は、個別の事情を十分に考慮するとしている。あくまでターゲットは「支払う能力があるのに、悪質に逃げているケース」だ。

読者の皆さんにお伝えしたいのは「普通に納税し、普通にルールを守っていれば、恐れる必要はない」ということだ。ただし「普通」の基準がこれまでより一段階上がったことは肝に銘じておかなければならない。

行政書士法人HAL

大阪代表行政書士

芳川 恒徳