HAL便り

永住資格「取消し」の衝撃④

2026.05.15

 

 

外国人雇用のミカタ

永住資格「取消し」の衝撃④
もし取り消されたら?「定住者」への変更と救済措置

前回までは、取消しの「原因」を掘り下げてきた。では、実際に取り消されたらどうなるのか?即・強制退去なのか?答えはNoだ。法は「意見聴取」という弁明の機会と、「定住者」への在留資格変更という救済措置を用意している。

「意見聴取」という弁明の機会

永住資格を取り消す前には必ず「意見の聴取」が行われる。本人やその代理人が、なぜ義務を果たせなかったのか、なぜその罪を犯したのかについて、有利な証拠を提出し、意見を述べる機会が与えられる。入管が事実関係を一方的に決めつけるのではなく、本人の言い分を聞いた上で最終的な判断を下す仕組みだ。

「定住者」への在留資格変更(救済措置)

永住資格を取り消されたからといって、即座に「国外強制退去」になるわけではない。入管は、永住者の地位は失うものの、日本での生活実態や家族状況を考慮し、「定住者」など他の在留資格への変更を認めるとしている。

ただし「定住者」になると、永住者のような「活動制限なし」という最強のメリットは失われ、数年ごとの更新手続きが必要になる。住宅ローンの審査は通りにくくなり、家族帯同の条件も厳しくなる。「定住者への変更は、あくまで延命措置だ」という認識を持つべきだ。

最悪の事態を避けるための3つの心得

①通知には必ず速やかに反応する:入管や役所からの郵便物を無視するのが一番の悪手だ。「意見聴取」の通知を無視すれば、弁明の余地なしとみなされる。

②専門家を早期に介在させる:意見聴取の段階で、正当な理由を論理的に説明し、証拠(診断書や収支報告書など)を揃えるには、プロのサポートが不可欠だ。

③「定住者」への変更申請をセットで考える:もし永住資格の維持が絶望的な状況であっても、日本に残るための「次の一手」を並行して準備することが生活を守る鍵となる。

行政書士法人HAL

大阪代表行政書士

芳川 恒徳